2017年8月17日木曜日

蒔時はじまり。


念願のカフェ「蒔時(まきどき)」のはじまり。
思えば茜と出会ってすぐの頃、
お互いにパンとカフェの修業中で、
「将来はこんな店をつくって、こんなことをしたい」
と話し合った。
僕はパン屋をやろうと思っていて、茜はカフェを。
それぞれ店をやることは、その先にある目的のための手段として捉えていた。
僕の目的は、今となっては必ずしもパン屋じゃなくても出来そうだと思っていて、
実際に今はパンも畑もイベントも、いろんな取り組みを通じて達成を目指している。
対して茜の目的の達成のためには、やっぱり場所としてカフェがあるべきで、
彼女が力を最も発揮できるのも、輝けるのも、カフェなんだろうと思う。
だから僕もカフェをやりたかった。
ようやく、はじまりを迎えられた。
あの時話した目的を忘れずにいられれば、きっといい店になると思う。
店も、僕らも、どう育っていけるか楽しみだ!

2017年8月2日水曜日

2周年。


直売所をはじめて2周年を迎えた。
2年前、「一本杉農園」は僕個人を指すものだった。
それがやがて家族になり、2年経った今では、家族に加えて仲間も増えた。
自分だったものが自分ではなくなり、自分達になった。
うまく言えないけれど、不思議な感覚。
一本杉農園の核は今でも確かに僕だけど、活かすべきは僕ではなく、一本杉。
当たり前だけど、僕は今の、僕ではなくなった一本杉の方が好き。
「自分が大きくなろう」と思っていたのが、「この木を健やかに大きく育てよう」になったというか。
これからもっと深く根をはり、枝を伸ばして、気持ちのいい木陰がつくれるようになってくれたらいい。
日頃よりご愛顧いただき、誠にありがとうございます。この記事をご覧くださっている全ての皆さまに感謝申し上げます。


これからも一本杉農園をよろしくお願いいたします。

それと、2周年を迎えた日、
スタッフのみんながとても美味しいお昼ごはんを作ってくれて、
おめでとうラップも披露してくれて、記念のリースのプレゼントまで。
愛を感じました。本当にありがとう。

2017年8月1日火曜日

利己を極めた先にある利他。


読了。いい本だった。

全ての植物は、自らの種の繁栄のためにただひたすら利己的に生きている。
極めて利己的。
他者に対する優しさなどない。
しかし、世代を超えて徹底的に利己を極めたところに、利他が生まれる。
自らの種の繁栄のために、他者を利用する。そこにお互いにとっての利がある。

例えば、
植物は、花粉を食べてしまう虫を拒絶したり排除するのではなく、花粉の運搬役として利用し、
果実を食べてしまう巨大な敵であるはずの鳥や動物を、種の拡散に利用した。
植物にとって「共生」こそが、 世代を超えて導き出した最も合理的で効率的な生存繁栄戦略だったのだ。

それはたぶん、人にも通じる部分があって、
「自分のことばかり考えるな」「もっと他の人のことを考えろ」
と、よく言うけれど、
自分が良いように徹底的に考え抜いて、未来まで見据えて極めて利己的に振る舞うことが、
自己犠牲の感覚もなく、他者や環境に優しく生きることに繋がるのだろう。

その考えが極まらず、中途半端な利己的行動をとることは、必ずいつか自傷行為となる。
今はこの状態にあることが多い。
「自分のことばかり考えるな」「もっと他の人のことを考えろ」という言葉で、
利己思考を抑制するのではなく、徹底的に考え抜くことも大切だと感じた。

「共生」は、他に対して譲歩し、手を差し伸べる行為ではなく、
自らが生き残るための最善策だと、理解しておきたい。