2019年10月30日水曜日

台風19号を経験して、これからの農業について思うこと。

こんな大きな災害は初めてだった。
ここまでになるとは誰も想像できなかったんじゃないだろうか。
復興にはまだまだ時間も人手もお金も要る。
それぞれがそれぞれに出来ることをやる、それに尽きる。

【農業について】
時代の変化やテクノロジーの発展がとにかく目まぐるしくて、様々な業種で、
今まで続けてきた形と、数年後にあるべき形が全く異なるだろうと想像できてしまう。
農業に関してもそうで、
僕はこれからの農業は
・省人力、超高効率の収益型農業
・コミュニティ運営の場としての交流型農業
の2極どちらかに寄っていくのではと想像している。
どちらにもテクノロジーが欠かせないが、使うテクノロジーが少し違う。

前者は、自動運転トラクターやドローン、IoT農業機械をフル活用して、
なるべく人の手を介さずに済むように、作業を最適化させる。
これなら担い手が高齢でも大規模な農地を管理できるようになるだろう。
初期の投資こそ大きくなるが、収益性が高ければ後継者も今よりずっと付きやすくなるはずで、
長く持続可能な営農が可能になるはずだ。

と、今回の被災までは思っていた。
被災を経た今、実はそれは危うい仕組みだったんだと考えている。
この方法は、設備を整える投資が大きいが、それを整えることで得られるメリットもそれ以上に大きいから成り立つ。
しかし、今回の台風のような災害がいつまたどこに来るかわからない状況では、
せっかく整えた設備を、投資分を回収する前に失う危険は決して無視できない。
失えば、その地の営農は破綻するだろう。
一度の大災害で、多くの田畑は荒れ地に変わる。

ならば、これからの農業が進むべき道は、後者の
「コミュニティ運営の場としての交流型農業」なのではないだろうか。
農地を一軒の農家が所有するのではなく、地域住民みんなで少しずつ担う。
作物を得るためにその時々に必要な作業をプロの農家が見極めて、
実際の作業は地域内の出来る人が出来る分だけやる。
作業者は、やった分だけ、作業報酬をもらう。
その作業の発注や受注のやりとり、どのように作業すればいいかを説明するための動画などのコンテンツ、作業報酬を支払うための決済の仕組み、
それらにテクノロジーを取り入れて、滑らかに回していければ、
誰も負担を感じずに、楽しく、経済的にも潤いながら、
持続可能な農の形が作れるのではないだろうか。
作業報酬を高単価にするために、農産加工も取り入れるべきだと思う。
その加工作業も、地域内で発注、受注できたらなお良い。

作業を最適化させる点は、前述の極と同じだが、
前途は人の手以外を機械に頼ったのに対し、
こちらは人の手以外も余っている人の手に頼る。
地域内に眠っているエネルギー=ちょっと空いた時間、ついでにやれる移動、など
を農へと最適化する。
もともとあるものをソフトテクノロジーとコミュニケーションによって滑らかに回すだけなので、
大災害があっても、ネットと人の手さえ無事なら復活できる。
農を通して地域内の人々の交流も生み出せる。
《シェアリング農業》の具現化が、
これからの農業の、そして田舎のコミュニティの、
持続可能性を高める解なのではないだろうか。

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