昨日、ZOMArketの出店者の皆さんとの交流会として、
1品持ち寄りのごはん会を開催した。
いろんな美味しいものが集まって、とっても幸せな食卓が出来上がり、
楽しい美味しい夜になった。
そんな中、鹿沼の有機農家界の重鎮、土の香グループの鈴木さんから、
いろいろと勉強になるお話しを伺うことができた。
その中で印象に残ったこと。
有機農業とは、そもそもの始まりは、
「安心安全な食べ物をつくりたい」
という想いからではなく、
目的は、
「社会システムからの自主独立」
であった。
1961年に制定された農業基本法により、化学肥料や化学合成農薬の使用が大きく推進され始めた。
当時の農業従事者のほとんどは、化学肥料による農作物の生育のすばらしさに驚嘆し、化学合成農薬の効能に歓喜し、農業は他の産業と同様に、経済合理主義のもと近代化へと突き進んだ。
そしていつしか、それまで当たり前にあった、自然に寄り添った農法を実践する人は消えていった。
時を同じくして、60、70年代安保闘争を中心とした社会運動が起きた。
経済発展を最優先とする社会の大きな流れに抗おうとした人々の運動である。
加えて全国で公害問題も次々と発生し、人々の社会への不信感はどんどん大きくなった。
それらの運動を経て、それでも思いは通じず、資本主義、対米従属主義でひたすら突き進む大きな社会と、「争う」という思考を越えた人々が現れた。
大きな社会に抗うのではなく、
「社会に依存しない、自主独立した生き方を実践する」という思想が生まれた。
テーマは、「社会システムからの脱却」。
そのための表現として、「有機農業」が始まった。
先の通り、この時代の農業には化学肥料、化学合成農薬が蔓延していた。
しかし、それらは「大きな組織」から「買う」ことでしか手に入れることができないものであり、
それを使うことは、「社会システムへの依存」を意味する。
つまりそれらを全く用いず、自身の圃場内での循環で作物を育て、
できた作物を流通させるルートも、顔の見える人の手から手へ。
「社会がどう変わろうと、自分達を変えることはできないぞ」
という、力強い表現。それが社会システムからの脱却への道だった。
まさに現代アートさながら。ライフスタイルでアートをする人々。それがその頃の有機農家だった。
その話を伺い、なんてかっこいいんだ、と感動した。
自主自立し、その周りに豊かな繋がりを生み、小さなコミュニティを形成する。
有機農家は小さな持続可能社会の起点となる。
僕もそこを目指したい。
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