先週に続き、南摩地区学校給食地産地消化計画「なんま夢やさいプロジェクト」の視察。
今日は福島県鮫川村へ。
わざわざスライドを用意してくださった。ありがたい。
まずは資料を見ながら、歴史や仕組みを教えていただいた。
鮫川村では、「手まめ館」という農産物直売所と連携して学校給食の地産地消化を実現している。
地元の農家が野菜を納める直売所から優先して野菜を仕入れることで、無理なく自然な流れで給食が地産地消になる。
ここまでは他の地区でもよくある話。ここのすごいところは、
直売所「手まめ館」に野菜の一次加工所や米の炊飯室が備えてあり、
時間や手間の負担の大きさ、設備不足などの理由で給食に使えない地産作物も、
ここで中間処理を行うことで給食への供給を可能にしていること。
例えば、かぼちゃのカット、大豆の水煮、じゅうねん(エゴマ)すり等。
カット野菜などの加工作物は、給食用以外にも販売しているのかと思いきや、ここで一次加工したものは全て給食用になるとか。住民の皆さんの給食への想いが凄すぎる。
ごはんも、直売所内の炊飯室で炊き、炊飯器ごと学校に届けることで、ほぼ炊きたてのごはんを提供できるようにしている。箱詰めされて汗をかいたごはんと、釜からよそい立てのごはんでは、美味しさの違いは明白。
給食の試食をさせていただく。
この日は、麦ごはん、ホッケ、夏野菜と豚肉の味噌炒め、豆腐と油揚げともやしの味噌汁。
米、ナス、玉ねぎ、ピーマンが村内産。豆腐と油揚げは村内産大豆を「手まめ館」で加工したもの。味噌は「手まめ館」製と、隣町の直売所で製造しているものを混ぜて使っているという。
野菜がたっぷりで美味しい。
豆腐は消泡剤不使用。大豆の味がしっかり感じられる。
メニューは、夏に子ども達から、秋には村民全体からレシピを募集するコンテストを実施していて、優秀作品は実際に献立に登場させているんだとか。
募集するレシピにテーマを設ける(例えば「大豆料理」とか)ことで、
テーマ食材の消費活性化にも役立っている。おもしろい。
給食をいただいた後は、「手まめ館」へ移動。
暖簾が渋い。
炊飯室。学校毎に違う釜で炊くことで、炊飯器ごと納品できる。
隣に洗米室もあり。
ちなみに米は村の独自基準に沿った特別栽培米を使用している。
野菜の一時加工室。広くて充実した設備。
夏には、夏休みの間に収穫最盛期を終えてしまう村産インゲンを、
大量にボイル~冷凍保存(昨年は130kgだとか!)し、適宜納品することで、翌2月まで給食に村産インゲンを使用するという。
これは農家にとっても売れ残りにならずに助かる。みんなが嬉しい仕組みだ。
採れたての野菜や、村内産材料でつくる加工品が並ぶ直売コーナー。
壁にはずらっと生産者さんの顔写真が。
直売所の規模からすると、生産者さんがとても多いように感じた。
村内産大豆の納豆や豆腐、きなこ、特別栽培米などをお土産に購入。食べるのが楽しみ。
締めにレストランコーナーで、エゴマ入りソフトクリームをいただく。
芳ばしい香りがして、うまい。
地元のお母さん達が切り盛りしていて、いい雰囲気だった。
南摩に直売所をつくる、というのはさすがに本事業では難しい話だけど、
調理員さんの負担を増やさずに、地域に仕事を生みつつ給食を変えていく工夫は、
アイディア次第で何かできるのではないかと感じた。
また、鮫川村学校給食センターの所長さんから、
「持続的に継続、発展させていくには、無理なく、ゆっくりが肝心」
と、大事な言葉をいただいた。
歩みは遅くても、着実に前へ。より多くの人が笑顔で関われる計画にしていきたい。
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