治ったからじゃない。もう、やるべき治療がないからだそうだ。
以前から、永久歯の2本目が生えたり、心臓の血管が増えたり、
何か不調があっても超人的な回復を見せてきた祖父だけど、
今回はちょっと様子が違う。
見るからにエネルギーがなくなってしまっている感じがする。
今までと違ってしまっている、大きな要因として考えられるのは、
「食べられなくなってしまったこと」
だと思う。
食べられない身体になったわけじゃないけれど、食欲がなくなってしまっている。
薬の副作用もあるんだと思う。
やっぱり、「食べる」ってことは、人が生きる上でものすごく重要なことなんだ。
そこで、母と一緒に考えた。
祖父が、身体のだるさとか、頭がぼーっとするのとか、
そういう食欲を邪魔しているものを上回るくらい、
「食べたい」と思うようなものがあれば、きっと自分から手を伸ばしてくれるんじゃないか。
そしてそれは、身体に優しい、エネルギーの高いものがいい。
だから、また今日も、丸山さんの小麦でパンを焼いた。
僕が今できる一番を。
焼きたてのパンを見た祖父は、
自分から手を出して、食べてくれた。
僕が1切れ用意したのに、パンナイフを使って2切れ目を自分で切って皿にのせた。
結局全部は食べきれなかったけれど、
自分から食べてくれたことが本当に嬉しかった。
ひと口ずつ、少しずつ食べるその姿を見て、「入れ!俺のエネルギー!」なんて思いながら。
オーブンが使えなかったり色々あったけど、
今日焼いたパンは、今までで一番のパンだった。
【8月15日(金)】
晴れ/32℃・24℃
晴れ/32℃・24℃
窓から盆踊りの音が聞こえる。明日は送り盆。
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